仕事をしているあなたも好き
               
 



「いつもありがとう」

いけないと思いながらも俺を守ってくれる立場の彼らに負担をかけてしまっていることは自覚している。
気になることはすぐに処理をしないと気がすまないのは小さな頃から変わっていない。
ランドルフやマリオン、それに幼馴染のミルフィーンはそのことを承知していて仕方がないと付き合ってくれるが
護衛隊の皆は俺のこの行動に慣れるまで相当戸惑っただろうし苦労をかけたと思う。
王族という立場に立つものがこうも軽々とあちこちへと出向くのは感心しないと懇々と言われた。
ガウルにはもちろんときたま説教を食らうが、彼よりもレイアの方が俺の行動が気になって仕方がないらしい。

いや、気になるというよりは怒っていると言った方が正しいのだろうか。

「俺についてくるのは大変だと思う。迷惑をかけているのはわかっているが……本当にすまない」

護衛隊の皆に改めて謝った俺に何も言わず、レイアはいつもと同じように俺の護衛についてくれた。
だが、その顔は幾分強張ったままだ。

やはり怒らせてしまっているんだろうか。

「…………ぃ」

俺の隣に並ぶレイアから小さな呟きが聞こえた。

「え……?」

「あなただけの命ではないことを忘れないで下さい。
 あなたに何かあったらどれだけの人が苦しむと思うんですか?私が言いたいのはそれだけです」

「レイア……」

「……あなたが傷つくと私も痛いということを……覚えて置いてください……」

いつもなら言わないはずのレイアがもらしたこの言葉は本音なんだろう。
俺は彼女が表情が出ないほど我慢させていたことにやっと気付いたんだ。

「ああ」

俺は隣に並ぶレイアの手を取りギュッと握ることで不用意な己の心に戒めを課したのだった。



next   セサルディ王国物語top   novel