おいしいもので幸せを
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基本に忠実であれ。
年齢を重ねるごとにいろんな体験をし、最終的に行き着いたのは基本がもっとも大切だと言うことだった。
それが何であろうと関係ない。毎日の生活習慣に関することから仕事や趣味に関することまで幅広く全般的に
言えるだろう。
だが、それも何回も繰り返しているとつい忘れてしまいおろそかになってしまう。
失敗をしてから気がついて反省をするパターンがほとんどだ。
アレンジをしたり応用するのも基本がわかってからできること。あんまり難しく考えすぎてもできることもできなくなってしまうし
まずは考え込むより行動を起こした方がいいと言える。
「それじゃあお腹が訴えているのを我慢しても体に良くないし」
材料は揃っている。後は順番に作っていくだけ。
でもここで材料はもちろん道具も揃っていないとお菓子作りはスムーズにいかないからチェックをしなくちゃね。
涼香はエプロンをした腰に左手を当てると右の人差し指で机にある道具をチェックし始めた。
「ボウル、ふるい、泡だて器とゴムベラ、おたまでいいのかな。
あとはガスの所にフライパンとフライ返しを揃えておいて。と、あと竹串だったっ」
準備オッケーと頷く。材料の下準備も確認して大丈夫、と。
「よし、んじゃ作りましょ」
ホットケーキ
□材料
ホットケーキミックス 市販のもの 卵・・・作り方に書いてある分量で(事前に冷蔵庫から出して室温に戻しておく)
バター・・・適量 牛乳・・・作り方に書いてある分量(室温に戻しておく)
□作り方
1、ホットケーキミックスはふるいにかけておく。
2、卵を泡だて器で解きほぐし、リボン状になるまで泡立てるか(泡が均一の状態になり、とろみがつくまで)
好みで白身と黄身に分けてそれぞれを泡立てる(白身はツノが立つ状態まで)。
3、牛乳を人肌に温め、卵に徐々に加えて合わせる(白身と分けた場合は黄身と合わせる)。
牛乳が温かすぎると固まるので注意。
4、粉を散らしながら泡だて器で混ぜる。この時混ぜすぎないように。ざっくり混ぜた後はゴムベラで。
ボウルを回しながら下から切るように混ぜ合わせる。(白身と分けた場合は粉を少し入れて卵白も少し混ぜてから
泡だて器で完全に合わせる。粉が見えなくなったら残りの粉と卵白をいれゴムベラで切るように混ぜる)
5、溶かしたバターを混ぜる(お好みで)
6、熱したフライパンに油をひき余分な油はペーパーでとってから適量の粉をいれ、弱火で焼く。
熱しすぎたフライパンは濡れふきんの上にのせて少し熱を下げてから再び火にかける。
蓋をすると蒸し焼きになって中に火が通りやすくなります。
7、表面がプツプツして全体に穴が空いてきたらひっくり返す。
裏側を焼き、竹串をとおして何もついてこなければできあがり。お皿に移し、バター・メイプルシロップなどはお好みで。
★アレンジもどうぞ
*いちょう切りした薄切りりんごを粉に入れて焼く。シナモンパウダーも振るとおいしい。
りんごの量に応じて牛乳の量を加減してください。
*ココア・・・大さじ1と1/2 お湯・・・大さじ1(2枚分〜3枚分の量)をいれる。
*ケーキ風に生クリームといちごで飾る(荒熱が取れてから)。
ただし粉にはもともと甘い味がついているためかなり甘くなるので注意。
*すりおろしたじゃがいも、にんじん、裏ごししたほうれんそうなどをいれると食事向けのホットケーキに。
*ブルーベリーなどのジャムをいれても。ただし、こちらも甘くなります。
たまには手を抜いて工夫をするのも大事なこと。
ただし基本をしっかりしていないとどうしても味は落ちてしまう。
結局おいしいものを食べたければ最低限の手間は省くな、ってことね。
おいしいものを食べ過ぎるといろいろな障害が出てしまうけれど我慢しすぎると余計に弊害が増えてしまうから。
「何をとって何から始めようか」
とりあえず今この時は熱々のホットケーキを食べるのが最優先事項。
「いただきます」
涼香はナイフとフォークを手に取るとにっこり笑って食べ始めたのだった。
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