守りたい



□カーク


俺は小さな存在だ。
今まで自分なりの努力を重ねてきたけれどそれでも自分に自信を持つことなんてできはしなかった。

だから俺にできることなんて限られているかもしれない。

君を守りたいって気持ちが強くても守りきることができるのかと問われれば返事はできないだろう。
それに君は守られることに慣れていないだろうからかえって俺は足手まといになるかもしれない。
気持ちと実力が伴う日まで時間はかかると思うけれど守りたいという気持ちは俺の真実のものだから
待っていて欲しい。


□レイア

守るという行為は私には慣れたことだった。

幼い頃は自分を守ることに必死になり城に勤めだしてからは自分以外の人を守る事になって。

何かあれば身体も心も傷を負うのは自分。そんなことに覚悟は決まっていた。

それがいつからだろう。
守ることへの義務感から守りたいという想いに変わったのは。

自分に何かあったとしても守りたいと思うようになったのはあなたに出会ったから。

ねえ、あなたは気づいているかしら?私の気持ちに。


□ランドルフ

変わることに恐れを抱いていつしか変わりたくないと思うようになった。

ずっと大切に思う気持ちは変わらない。

そのはずだったのに自分の気持ちを押しとどめるのは無理だった。
誰にも触れさせず閉じ込めておきたいと勝手な考えに自分を戒めて。

でも限界だったんだな。今だからよくわかる。
俺は全てをいいように守っていたかったんだ。そんなことできるはずがないのに。

なあ、そうだろう?


□ミルフィーン

幼い頃の思い出を守っていたかった。
そうすれば自分達の関係は変わらないとかたくなに思い込んで。
年を重ねるごとに自分の立場を思い知らされた。
幼馴染という関係さえ崩れ去りそうになる。

私情を挟むことができない。それが私達の関係。

自分に何度も言い聞かせてやがて来る想像もしたくもないことに備えて自分で自分を守っていた。

でもいくら言い聞かせても誤魔化しても気持ちは止まることがなかった。

それならもう覚悟を決めなくてはならないのだろうか。
全ての気持ちを守ってあなたへと歩んでいく道を。


□マリオン

自分を守ることに必死になってきたあの人にいろんなことを知ってもらいたいと思うことは
いけないことかしら?

仕事をする上では器用に動く心と体でもその他のことには不器用で心配になる。
あの人を守ってしまいたくなる。

私の手などいらないって言うのかもしれないけれど私の小さな手でも手伝えることってあると思うの。

あなたが悲しい時、寂しい時、私はあなたをそっと抱きしめることが出来る。
あなたの隣であなたに触れて寄り添って、あなたの感じていることを私も感じていたい。
私にできることなんて小さな事かもしれないけれど守りたいと言う気持ちは本当だから
傍にいさせて欲しい。


シェルフィス

感情など自分に残っているとは思わなかった。
ましてや生活に関係のない感情など持つ必要もないと思っていた。
繰り返される同じ毎日に満足している。そのはずだったのに。

突然のことからその毎日が崩れ去って自分が自分でなくなるようなそんな毎日が続いた。
戸惑いや怒りなんて今までになかった気持ちが俺を埋め尽くす。

それだけならよかったのに自分を、誰かを守りたいなんて気持ちを持つ日がくるなんて。
笑う顔がみたいなんて自然に思う自分に驚いていた。

一緒に笑っている俺に俺自身が戸惑う。
その感情は初めての、いや、幼い頃に捨て去った感情だった。
それを思い出させてくれたのはおまえだ。

ありがとう。



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