闇夜

   月と焔の物語  ヴァルアス・ヴォルフガングイメージ詩


未来(さき)の見えない現実に打ちのめされるなんて俺らしくない

わかっていてもどうにもできないくらい暗闇に閉ざされている途先

足元さえ掬われそうな淀みの温床に心が折れそうになる

月よ光よ ほんの少しの安らぎさえ望みをしてはいけないのか


心の奥に潜んだ影を解き放たないよう苦しみ悶える

誰にも見せられないもう一人の俺

鍵のない檻にいつまで閉じ込めておけばいいんだろう

独りでいなくてはならないとわかっているのに

もうずっと求めている 傍にいてくれる人を

本当は弱くて寂しがり屋の本当の姿を見てくれる人を



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