烙印
月と焔の物語 ルティ・フェニキアイメージ詩
一人きりの夜を幾度か重ねてきた
悲しみと憎しみと絶望に心を苛まれ生きながら死せる偽りの世界は
小さな願いの欠片さえ救うことはない
でももしあの日をやり直すことができるのならば
今も共に同じ道を歩んでいるのだろうか
心の扉を開けることはないと思ってきたのに 自分でも知らぬ間に想いの言葉を零していた
罪を背負う身には許されぬことだと 痛みなどあるはずないと繰り返し己を律してきた
何も信じないと強く思わなくてはならないくらい 惹きつけられてしまう一筋の光
罪を購うことができたのならば許されるのだろうか
いつか自らの途を歩いて行くことを
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