守りたい
リュシィエール
私が守っていたもの。
それはあまりにもはかなく悲しい存在だった。
あまりにも長く生きたせいでそのことに気付くことさえ時間が掛かってしまった。
失ってから気付いても遅い。
あの時はそう思ってばかりいたけれど今なら違うと言える。
確かに終ってしまったことを取り戻すことはできないけれどそれでも全てを失ってしまった訳ではなかった。
他の何かに繋がるもの。思い出そして私の心。
それは決して失われてしまうものではないから。
だから私はこれ以上私の大切なものが無くならないよう守ってみせるし守らなくてはいけない。
私が壊れてしまわない限り、ずっと。
ヴァルド
自分だけを守っていればよかった。
全てを失ってしまった俺に残っているのは自分だけだった。
自分の不幸とも言える境遇に絶望して他の奴らの幸せを妬んで。
それなのに憎しみの感情をぶつけた俺におまえは悲しんだり怒りをぶつけるんじゃなく俺の気持ちを汲んでくれた。
そんなことは初めてだった。
それからだ。俺が他の何に変えてもおまえを守りたいって思ったのは。
ウェルグリフ
何かを守るってことはとても難しい問題だ。
自分では守るつもりになっていたとしても自分以外の者達はそう思っていないかもしれないことだってある。
ましてや俺みたいな立場だとあまりにも守らなくてはいけないものが多すぎて何から優先して何を切り捨てればいいか
良く考えなくてはいけないからな。
だが、自分で選んだことだし動かなくては進まないことだから心をしっかり持って判断しているが。
捨てきれない気持ち。それが守りたいって気持ちなんだろう。
俺はそう思うようにしている。
ローレン
自分にとって守りたいと思うことが相手にとってうれしいことなのかどうか。
それを実行するのかそれともしないのか、判断が難しい。
良かれと思ってしたことが逆に相手を混乱に陥れてしまったこともある。
それでもそれも一つのことを思って行動した結果そうなってしまったんだ。
悪気は全然なかったんだよ。
君の想いを守りたいって思ったからつい無理をしてでもやってしまった。
本当悪かったよ。許してくれるかな?
カルディス
おまえは俺のどこを見ていたんだ?
俺がこんな態度を取る理由がわからないなんて。
何年付き合ってると思ってるんだ。
それこそ俺の方はおまえのことをわかりきってるっていうのに。
おまえを甘やかすのだって突き放すことだって全て一つのことからきてるんだよ。
おまえがおまえ自身でいて欲しい。その気持ちを守りたいからなんだ。
わかったか?
ルドシャーン
私は利己的な人間なんですよ。自分に有利になるようにしか動かない。
無駄なこと、厄介ごとはごめんでした。
それなのにいつの間にかこんなことになるなんて。まったくもって計算外です。
まあ、最終的には私の欲求を満たしてはくれますけどね。
こうなれば仕方がないでしょう。
全てをひっくるめて守って見せますよ。誰にも負けないように。
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