○守りたい 

シークレット・ポイズン

 ゼグドゥ


心の底から守りたいと思う相手などとっくの昔にいなくなった。

仕事がてら割り切れる関係、そんな相手に心が動くはずもない。

そのはずだった。

だから今更調子が狂っちまうんだよ。

ったく、俺らしくもない。

でもまあ、こうなったら腹をくくるしかないだろうな。

出会ったのも偶然じゃなくて、決められていたものだったのかもしれないから。

本当、俺らしくもないよ。懸命に守ることなんて。

 カディス

誰かに守ってもらう。

そんなか弱い私じゃない。

そんな自分とっくの昔に置いてきた。

そうでもしないと自分の気持ちが崩れ落ちそうだったから。

何と言われようと自分を守ることに懸命に走ってきた。

だからいきなり言われてもわからない。

いきなり行動を起こされてもわからない。

とまどいだけが私の中を埋め尽くす。

守られることはいつか私にとって慣れていくことなのだろうか。それとも……?



永遠の魔法

 セライラ


私は何を守っていけばいいの?

自分のことをわかろうともしない者達との毎日を

守っていくことなんてできはしない。

何が私にとって大切なのか。

エルフの一族の者達、エルフとしてのプライド、それとも永遠の命?

どれも違う。

どれも私にとっては心を打たない。

私の心を揺さぶるのはあなたしかいない。

たとえあなたが私を重荷にしか感じていなかったとしても
私はあなたの心の中に私への感情があったって信じているもの。

一方通行じゃない、分かり合えていたものが。

あなたの心を崩すことは容易じゃないってわかっている。

それでも私はあなたとの間にあったものを守って行きたいし、
守り続けるためにもあなたに会わなくてはと思うの。

だから、私は今ここを飛び出すわ。

時間がかかってもいつか分かり合えることを支えにして。


闇の迷夢

 ファーラ


自分を守っていかなければ生きて来られなかった。

一人でいることはとても寂しくて辛かった。

それでも一人でいないと私は壊れてしまいそうだったから。

自分の気持ちを守ることは私にとっては他の人を守ることとも一緒だった。

恐怖の目で見られて心を痛めることは嫌だった。

だから私の隣にいてくれる人がいるなんて今でも奇跡に近い事だと思う。

お互いが純粋な目的でなかったとしてもそれでも私にとってはとても大切でかけがえのないこと。

永遠に守り続けていきたいものなの。


 ギリィ

俺が彼女のもとに来たのは声が聞こえたからだった。

言葉にならない心の声。

それ故に強くて無視できないもの。

最初はお互いに探りあいから始まったがすぐにそんなこともなくなった。

俺に心なんてないはずだったのに、いつの間にか一人より二人でいる方が当たり前になっていた。

利害が一致していたから一緒にいただけだったのに。

俺は自分自身がどういう気持ちなのか正直よくわからない。

それでも前の時間に戻ることだけはしたくないと思っている。

今のこの空間を大切に守りたい。

それだけははっきり言えるだろう。


招かれしものシリーズ

 ラヴィン


何者にも侵されたくなかった。

私には私の信念があってそれを曲げずにやり遂げたい意思があったの。

それなのに、なんでこんなことに。

足手まといで厄介ごとを持ってくる存在は私の中では問題外で
そんな存在から自分を守ろうなんて思ってもいなかった。

それがあの時を境に私の全てを縛ってしまうことになって。

もう起こってしまったことをなかったことにできはしない。

だったらこれ以上踏み込まれないうちに自分を守ることしかない。

本当はこんなことはしたくはないのだけど。

でも……見ていなさい。

いつか必ず元通りの関係に戻って見せるから!


 サウス

僕はいつも守ってもらってばかりいた。

自分でも情けないと思いながらも勇気が出ずに一歩を進めずにいた。

今の位置が心地よいからこれ以上何も起こらないように自分を守りたいって思っていたんだ。

辛くて痛い思いをしたくない。

そんな気持ちから自分自身を必死で守ろう、守りたいって。

本当は守りたい気持ちを別の方向へと向けるべきだったのに。


 サウス(妖精と同化後)

あいつの心が弱かったからこういう結果になった。

今までの自分を守りたい気持ちと変えてみたいという気持ち。

相反する気持ちが招いたのはあいつにとっては最悪とでもいえる結果なのだろう。

だが、そのことさえ今のあいつにはよくわかっていない。

守りたい存在がいると言いながらも本当に守りたかったのは自分の立場だった。

心の奥底に潜むものがあったから俺を招いてしまったんだ。

だからおまえのためにも俺は精一杯守って見せるよ。

あいつとおまえの本当の気持ち、欲望を。

どう結果が転んでも知らないけどな。


リンディ・ハートシリーズ

 リンディ


自分を守りたかった。

全てがわからなくなった時私が取ったのは結局は自分を守るということ。

押し殺されそうな毎日は自分が自分でいられなくなった日々。

考えることも放棄して、ただ毎日を過ごしていた。

そんな自分にどれ程のものが残っていたのか。

今となってはそんなことでさえ覚えていない。

それほど追い詰められていた私なのに最後の最後に自分を救いたいという想いがあった。

だから旅に出たの。

毎日が大変でどうしてこんなことをって後悔する時もあるけれどそれで良かった。

目的を持つことができて感情を呼び戻すことができて私は私を守ることができているのだから。


 ノーガ

俺が旅に出たのは単純でわかりやすい動機だった。

自分の命を守りたい。ただそれだけ。

こういった存在が奇異に映るのはわかっている。

だから俺は目立たないように隠れるようにした。

それこそ自分を押し殺して。

だが、無理が来るのは早かった。

気が狂いそうになった俺に訪れたきっかけ。

それがどう変わっていくのか正しい方向へ行くのかわからない。

でも何が正しいのかなんてはっきり言えることなのか?

俺は俺という自分を探して行くことになる。

それがいつまで続くかはわからないけれどその日々をずっと守って行きたい。




back